従来、パサつき、うねり、抜け毛、薄毛、ダメージ、白髪、髪やせ、ボリューム不足といった髪の悩みの解決には、髪自体にアプローチする「ヘアケア」が主流とされてきましたが、最近では「健康的な頭皮こそが美しい髪の土台」と考えられるようになり、「スカルプケア」に注目する人が増えています。
「健康的」な髪には、頭皮の保護が欠かせません。
それは年齢や性別に関わらず、どなたにも共通して言えることです。若い方は特に紫外線予防を心掛けましょう。
頭皮は、紫外線を始めとする、環境がもたらす悪影響に常にさらされているからです。
すでにそのような環境下で長く過ごされたシニア世代の皆さまは、より注意を向けましょう。なぜなら、紫外線と肌の老化との関係が広く知られるようになったのはごく最近だからです。
皮膚に影響があるということは当然頭皮にも影響があり、それが髪の見た目年齢にも大きくか関わっています。
肉体的な活力は年齢を重ねるごとに失われていきます。
それは避けようのない老化現象のひとつですが、中でも皮膚は身体を保護する人体最大の重要な器官でもあるため、受けるストレスレベルも格段に高くなります。
頭皮も皮膚であるため、顔や身体の皮膚と同様、もしくはそれ以上に早期に老化するリスクを抱えています。
しかし、目に見える兆候は少々異なります。 例えば、顔の皮膚であれば加齢の兆候としてシワが表れますが、頭皮はというと健康的な毛包が維持できなくなります。
顔や身体の肌細胞と同様に、頭皮細胞の再生能力が低下すれば、細胞はやせて水分保持力を失い、毛包に栄養をゆきわたらせる機能やデトックス機能も減退していきます。
また年齢を重ねると毛包の数は減少します。そのため、男女を問わず加齢とともに毛量が減っていくのです。
男性には「男性型脱毛症」、女性には全体的な薄毛が起こりやすくなります。いずれも有害なジヒドロテストステロン、別名DHTが毛包内に蓄積することで発生します。
弱体化した毛包内の毛母細胞が原因となり、数・質の両面で髪の生成能力が衰えていきます。それにより新生毛の直径が10%も小さくなることもあるため、髪のボリュームがダウンし、スタイリング効果が長持ちしづらくなります。
「健康的な頭皮を維持するためのアドバイス(中編)」へ続く